横浜市の自由社版教科書をめぐる問題
横浜市は平成22年度、23年度の市立中学校歴史教科書について8区で自由社版の歴史教科書が使われています。
市の教科書選定については、各区で条例に定められている教科書取り扱い審議会が、それぞれの区の特性を踏まえ教科書を検討し、その意見を教育委員会にまず提出しその意見を参考にこれまでは教科書を選定してきました。
ところが、今回の重大な問題は教育委員会での歴史教科書採択で、区の審議会の報告を無視し、まったく推薦していない自由社版の教科書が緑区と金沢区で採択されるなど8区において決まりました。
その採択方法も教育委員の責任の所在を明らかにしない無記名投票で行われました。
この自由社版の歴史教科書を使用しているのは、全国公立中学では横浜市のみで、内容も136箇所に検定意見が出され歴史事実に反する内容や、写真が裏焼きされたりと間違いだらけの内容です。
そこで横浜市教職員組合がこの教科書についての資料集を配布したことから問題になり、「公立義務教育諸学校に勤務する教育公務員等の行為の制限に関する意見書」を国に出すことを常任委員会で可決されました。
教師が適正な手続きで選ばれた教科書の使用を妨げる行為であり、一定の制限を加える必要があるという賛成の論と、この資料作成、配布は不使用運動ではなくあくまでも教材研究としてあるという論です。
意見書の採択は本会議において、賛成37、反対54で不採択になりました。ほっとしています。
この意見書提出の反対討論に対し、自民党その他からものすごいヤジが飛び討論が聞こえなくなるほどでした。
横浜市議会の中でも若手の議員がめだって、右よりの発言者が増えているようで大変危惧するところです。
次の横浜の教科書は一地区採択に決っていて、またまた横浜市の教科書採択を巡っては、教育委員のメンバーを考えると心配です。
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