2012年9月23日 (日)

横浜市の学校図書館専任職員の配置に期待

 横浜市は2013年度中に、学校図書館に専任職員の配置を検討しているとのこと。
ようやく横浜市も遅ればせながら学校図書館の役割の重要性を認識したかと、今後の環境整備に期待したい。

 私が議員の時に、図書館の指定管理者導入の問題、そして学校図書館の専任職員の配置など議会でしつこく取り上げ教育長とバトルをしてきました。
教育長は学校には司書教諭がいて、また学校ボランティアの方も大勢入っているので十分という答弁でまったく平行線。
最近、林市長からの学校図書館の充実に関するコメントを見て、ひょっとするとと期待していましたが横浜市も学校図書館改革に大きく踏み出しました。

 以前に鳥取県知事を務められた片山義博氏の話をお聞きしましたが、片山氏は図書館行政が進んでいる岡山県の出身で、知事時代に県庁の図書室に図書館司書を置き、いろいろな調べもの、調査研究のアクセスポイントとしてつなぐ人をつくり、県立図書館を活用し職員の仕事に役立てたと伺った。
 片山氏は図書館が、今の自治体行政において重要認識されず予算の縮小、自治体財政危機の時に真っ先に切られるのが図書館行政で、これは経費削減競争に陥り、見識と政策選択の問題であり、あまりにも図書館を軽視していると。

 本を読むことで読書力、読解力が身につき学力も上がるといわれている。
何はともあれ、専任職員がいることで先生との連携、子供たちへの調べ学習のアドバイス、何を読んだらいいかわからない子への導きなど学校図書館がにぎやかになることは間違いありません。
きっとこれをきっかけに本が大好きになる横浜の子供たちが増えることを願っています。
すぐに結果が出るものではありませんが、横浜の知的財産になるでしょう。
 これには、横浜の学校図書館を考える熱心な市民の皆さんの努力の成果もあると思います。

 
 

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2011年7月24日 (日)

「生命が育つお手伝い」モンテッソーリ教育

ピースボート洋上カルチャーでの、モンテッソーリ教育に取り組む深津高子氏の講演は、今まさに日本の幼児教育に忘れているもの、子どもの生命の育つ邪魔をしないこと、受験に備えた早期教育でいろいろ教え込むことではなく、子どもの育つ最大限の環境をつくること、本当に納得。 P7240008
子どもをよく観察し、その時々に必要な環境を大人が整える。そして子どもは自発的に活動を選んで試行錯誤し、失敗や成功を経て自信を身につける。また、異年齢で生活するうちに他者を思いやる社会性も発達し、自分で考えることが身につく。
この考えは、百年も前にイタリアの医師、マリア・モンテッソーリが発見した発達の法則です。
今、危ないからやらせないそんな風潮がありますが、失敗やけがをして初めて成長するのです。

深津さんに日本でなぜこの素晴らしいモンテッソーリ教育が広がらないか質問したところ、いい教育者を育てることが重要でなかなか育っていないことだと言われました。
深津さんは、カンボジア国境に近く、ポルポト政権の圧政から逃れてきた難民の子供たちが通っている保育園「希望の家」でモンテッソーリ教育の実践を見る機会から勉強を始められたとか。

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2011年7月14日 (木)

教科書採択問題

来春から横浜市の公立中学校で使用する歴史教科書採択をめぐり、大きな市民の動きが起こっている。
横浜市では2年前に8区で、「自由社」の歴史教科書を採択しましたが、その採択方法についても審議会の意見を無視した形で金沢区、緑区などにも自由社版の教科書を決定し、しかも不明朗な教育委員の無記名投票でおこなわれました。
この「自由社」版の教科書は、戦争を美化し日本国憲法を軽視する立場でえがき、編集ミスも異常に多いと指摘されている教科書である。

横浜市は、来年からの教科書採択は区ごとではなく、18区全部が同じ教科書を使う一採択化を決定している。
その問題の「育鵬社」と「自由社」の歴史や公民の教科書採択に反対する要望書で、約1か月半とい短期間で7万7千人の賛同署名が集まり、今田教育委員長宛に提出された。大勢の人たちが危機感を募らせ動いた結果です。
私たちも皆が要望書を持ち歩き説明し賛同者を募りました。

要望書を受け取った市教委の漆間指導部長の「短い期間にこれだけの署名が集まったことを、しっかり受け止めたい」とコメントが報道されていた。
漆間部長は2年前までは、戸塚中学の校長先生で地域と学校をつなぐキーマンとして動かれ(以前ブログでも地域ボランティア実り隊について書いた)、教育者としても素晴らしいと個人的には思っている。

横浜市は、市民の意思をしっかりと受け止め、くれぐれも禍根を残さないよう、教科書採択に臨んでほしい。

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2010年11月27日 (土)

横浜市の自由社版教科書をめぐる問題

 横浜市は平成22年度、23年度の市立中学校歴史教科書について8区で自由社版の歴史教科書が使われています。
 市の教科書選定については、各区で条例に定められている教科書取り扱い審議会が、それぞれの区の特性を踏まえ教科書を検討し、その意見を教育委員会にまず提出しその意見を参考にこれまでは教科書を選定してきました。
 ところが、今回の重大な問題は教育委員会での歴史教科書採択で、区の審議会の報告を無視し、まったく推薦していない自由社版の教科書が緑区と金沢区で採択されるなど8区において決まりました。
 その採択方法も教育委員の責任の所在を明らかにしない無記名投票で行われました。

 この自由社版の歴史教科書を使用しているのは、全国公立中学では横浜市のみで、内容も136箇所に検定意見が出され歴史事実に反する内容や、写真が裏焼きされたりと間違いだらけの内容です。
 そこで横浜市教職員組合がこの教科書についての資料集を配布したことから問題になり、「公立義務教育諸学校に勤務する教育公務員等の行為の制限に関する意見書」を国に出すことを常任委員会で可決されました。
 教師が適正な手続きで選ばれた教科書の使用を妨げる行為であり、一定の制限を加える必要があるという賛成の論と、この資料作成、配布は不使用運動ではなくあくまでも教材研究としてあるという論です。

 意見書の採択は本会議において、賛成37、反対54で不採択になりました。ほっとしています。
この意見書提出の反対討論に対し、自民党その他からものすごいヤジが飛び討論が聞こえなくなるほどでした。
 横浜市議会の中でも若手の議員がめだって、右よりの発言者が増えているようで大変危惧するところです。
次の横浜の教科書は一地区採択に決っていて、またまた横浜市の教科書採択を巡っては、教育委員のメンバーを考えると心配です。

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2010年10月10日 (日)

ノーベル化学賞の受賞の裏に

 今回のノーベル化学賞に二人の日本人、鈴木章氏、根岸英一氏が受賞されたことは大変喜ばしいことです。
難しくてよくわかりませんが、パラジウムという金属を使った「クロスカップリング」という方法は、物質を反応させて、医薬品からエレクトロニクス材料までつくってしまうという、すごい研究のようです。

 今回の受賞者が75歳、80歳であり、これまでの長い研究の成果がすばらしい結果となっているとする一方、この受賞をあまり喜んでばかりはいられないという厳しい意見も出ています。
それは今、若者が外国に出て行かない、やる気を感じない、この受賞で若い人が日本のレベルが高いと勘違いしてはならないという、辛口の批評が出ています。

 とは言っても、問題なのは、若者たちが大学院まで出て研究をして、いざ就職しようとした時になかなか就職がないし、じっくり研究できる環境にないということです。
また、大学院を出て博士号をとっても、就職した大学では3年任期で派遣社員並みの境遇で、長期研究もできない。
産学連携といっても、企業はすぐに結果を求めるわけで、長期研究なんて望めません。
 事業仕分けで、研究費が削られるこんなことで、これからの日本の化学、物理学は大丈夫なのでしょうか。

 日本はあまりにも教育に、お金を使わな過ぎではないですか。

 

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2010年6月21日 (月)

片山善博氏が「地方分権と図書館」について講演

 学校図書館を考える全国連絡会集会において、現慶応義塾大学教授の片山善博氏の講演をうかがった。
 片山氏は自治省出身で鳥取県職員をされ、1999年から2007年まで鳥取県知事を2期勤められ、官僚出身の改革知事としても有名な方です。P6050398

 片山氏は図書館についての著述も多く、興味深く読ませていただいていたので楽しみに東京まで出かけていきました。片山氏の図書館との関係は、お子さん6人と毎週図書館に出かけていく利用者としてが始まりだそうです。
片山氏の出身が図書館行政が進んでいる岡山県と言うことでも、うなずけます。
 知事時代に鳥取県庁の図書室に図書館司書を置き、いろいろな調べ物、調査研究のアクセスポイントとしてつなぐ人をつくり、県立図書館を活用し職員の仕事にも大いに役立てたとか、本当にすばらしい。

 片山氏は図書館が、今の自治体行政において重要認識されず予算の縮小、指定管理者制度の導入など、自治体財政危機の時に真っ先に切られるのが図書館行政。
これは経費削減競争に陥り、見識と政策選択の問題であり、あまりにも図書館を軽視していると話された。まさにそのとおりだと思う。

 学校図書館に関しても、フィンランドを例にし読書力、教育に力をいれ、PISAの学力調査でも上位になっているとし、司書など子どもたちをつなぐ人が必要と話された。
また、学校図書館についての部所がない事を指摘されたが、横浜市もまさにそのとおりで学校図書館の予算がまとまってなく、まったく見えない状態である。
 私も議会で学校図書館費として取り出すべきと申し上げたが、まったくその気はない。

 学校図書館司書配置についても、議会でしつこく質問をしているが横浜市は司書教諭がいるのでよしとしている状況。
これがまさに政策的選択の問題である。

 

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2010年2月17日 (水)

幸せな未来は幸せなこどもたちから オランダに学ぶ

 以前ブログにも書きました、教育・社会事情研究家のリヒテルズ直子さんの講演を伺いました。久しぶりに歯切れのいい、内容のあるすばらしい講演を聴き考えさせられました。
参加者も会場一杯になり、講演後の質疑でも活発なやり取りがあり、参加者の皆さんの満足度に手ごたえを感じ、主催者としてほっとしています。P2140182

 オランダの子どもたちは、学校が好き、宿題のプレッシャーはなく、親に何でも相談し、朝食もしっかり取っている。またオランダで孤独を感じているこども達は2.9%で、日本で孤独を感じている子供達は29.8%となんと10倍です。
PISAの学習調査では、オランダのこども達は読解力と数学に日本のこども達より少し優れえいるだけで、ほとんど変わりません。
ということは、学力は幸福を犠牲にしなくても達成できるし、幸福感の向上は、意味のある学習意欲を生み、学力を高めることにつながるとしています。まさにそのとおり!

 直子さんは日本の大学入試制度の弊害を述べられ、(ヨーロッパではほとんど入試はない)ネックになって、知識を詰め込み、ディスカッション能力、コミュニケーション能力が育たない。大学のレベルが落ちているとも。
 オランダでは大学の資格を持っていればいつでも大学に入れ、学歴が無駄にならない。やり直せる進路、いつでも入れる高等教育と生涯教育として捉えて、幅のある教育システムがある。
学校共同体がすなわち生きる場所であり、学校が市民社会をつくる、すばらしい!

P2140175  オランダの経済を立て直すときに、ワークシェアーを導入、「労働時間差差別禁止法」を作り、働き方を大きく変ええることにより、ワークライフバランスが進んだことは有名です。
今日本では、国も自治体も待機児童解消に保育所を増やそうとしています。もちろん横浜市も同様で大変な予算を投入しています。
 子育て支援を考えるときの究極の施策は、このワークライフバランスの推進です。
国が率先して働き方の議論をし、制度改革を進めるべきと思います。

 

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2010年1月18日 (月)

リヒテルズ直子講演会 子どもの幸福度世界一のオランダに学ぶ

 リヒテルズ直子さん講演会
  「幸せな未来は、幸せな子どもたちから
     子どもの幸福度世界一のオランダに学ぶ」 を開催します。

 オランダは建国以来、個人の自由を保障し、個人の自主的な社会的責任に基づいた社会を建設してきました。
そんなオランダに長く暮らし、オランダの教育システムを研究されているリヒテルズ直子さんが来日されますので、講演会を企画しました。

 オランダでは「オランダモデル」と言われるように、ワークシェアリングの多様な働き方が定着しています。それはワークライフ・バランスの観点から、家庭生活や地域共同体をより良く維持するための環境づくりとして、学ぶべきところがあります。

 オランダの子ども達、0歳から大学卒業までの育ち方、それを支えている制度として、競争のない多様な教育を認め、心身の障害、社会経済的に遅れた子ども達とのインクルージョン教育の仕組み、また学校が地域を変えるあり方など、興味深い話が伺えます。
 日本が直面している教育問題、子育て、働き方などについて考えるヒントを頂き、一緒に考えたいと思います。
是非、ご参加ください。

リヒテルズ直子講演会
 2010年2月14日(日) 戸塚区地区センター2階 B会議室(JR戸塚駅より徒歩5分)
 14時30分~15時30分  リヒテルズ直子さん講演
 15時30分~16時30分  質疑応答と意見交換

申し込み、問い合わせ:ネットワーク横浜宇都宮あつ子事務所
           電話:828-5024 FAX:828-5025

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2009年12月27日 (日)

戸塚高校の地域主体で初の学校支援ファンド

 戸塚区汲沢にある戸塚高校でスタートした、地域主体による学校支援ファンドについて大塚宏校長にお話を伺いました。
大塚校長は実は横浜市の職員で、公募で校長先生になられた方です。久しぶりにお会いしましたが、教育や子ども達について熱く語られ、幅のある教育をめざしているなど、これからの構想の一端をうかがいました。

 この戸塚高校は、保護者、卒業生、地域との連携ができている事で、創立80周年の記念事業費の残預金を資金に、教育活動などにおいての資金援助を行う目的で「戸高ファンド」が設立されました。
 市教育委員会で「横浜教育ビジョン推進プログラム」で学校ファンドの設立を推奨しています。

 学校の修繕費予算も少ない中、施設の整備補修費などにも活用し、エアコンを設置したり、今年の高校野球予選では快進撃の戸塚高校の応援団の交通費、講師依頼費など、学校ではやりくりできないところの力強い支援ファンドとなっています。

 「将来的には奨学金のような役割をもてれば」と寄付を募り、夢は膨らみます。
戸塚高校が地域や卒業生、保護者から愛されている証拠ですね。Pc250121
写真は大塚宏校長先生と。
 

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2009年12月10日 (木)

桜セーバーと小学生のコラボで堆肥作り

 以前にブログでも紹介しています、戸塚の柏尾川沿いの桜を守る活動をしている桜セーバーが、戸塚小学校の5年生たちと桜の葉を集め堆肥作りを行いました。Pc080110

 今年で2回目になりますが、午前2クラス、午後1クラスがそれぞれ、桜セーバーの指導の下、まず柏尾川沿いの桜の落ち葉をほうきやくまでで集め、リヤカーに乗せて校庭の端に運びます。そして次は校庭の端に作ってある堆肥用小屋や箱に落ち葉を入れ、その上に米ぬかを撒き、順番に子どもたちが踏み固め、この作業を繰り返し行います。

 Pc080111 子ども達は足で落ち葉の感触を喜び、「楽しいー」と声をあげて、体いっぱいで楽しんでいました。
 これがまさに生きた環境学習です。
最後の圧巻は、箱一杯になった落ち葉の上にメンバーが持ってきた、カブトムシの幼虫を2匹づついれ来年の夏までのお楽しみです。子ども達の歓声が上がります。Pc080114

 桜セーバーのメンバーは、2回目とあって慣れたもので、先生とは違った厳しさとやさしさで、子ども達が危なくないように気を配りながら教えていきます。
 子ども達も本当にいい思い出になるでしょう。
私も桜セーバーのメンバーとして、一日楽しませてもらいました。Pc080116 Rimg13119s

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