2011年12月22日 (木)

一人一人の命を考える

  口から食べれなくなったらどうしますか。「平穏死」の進めと題す本を書かれた医師、
石飛幸三氏の講演を聞き、尊厳ある死について考えさせられました。
 石飛医師は血管外科医から現在は世田谷区立特別養護老人ホーム・芦花ホームの常勤医をされています。

 誰しも最後を迎える場所が、自宅あるいは施設を希望する人が9割でありながら、現実は病院でなくなる方が8割だそうだ。
まさに、人が生きることは口から食べ物を食べることができることだと思う。
しかし高齢になると飲み込む力が弱くなり、無理に食べようとすると誤って気管に食べ物が入り誤嚥性肺炎になります。病院で肺炎は治りますが嚥下障害は治らず、又誤嚥します。
 病院では点滴を続けて置いておくわけにもいかないので、胃から栄養を入れる「胃ろう」をつけて病院からホームに帰って来て寝たきりになる方が増えています。
意識がちゃんとしている人なら、不自然なことまでして生きていたくない、寿命がきたのだからもう結構といえるかもしれませんが、認知症であれば無理です。
又、家族も迷いながらも罪悪感を感じ医師に言われるままに従うのです。

 人間として生きる意欲も能力もなくなった人を、方法があるからといって人工呼吸器をつけて息を止めさせないことが本当にその人のためになるのか、その人の生命の質をどう考えるのかを石飛先生は問うています。
 寿命が来て本人も、周囲も穏やかな終焉を願っている、これは病気ではなく天寿であり、最期のときを決めるのは医療ではなく、時の流れに身を任せるべきと言われる。

 石飛先生の芦花ホームでは多くの方が平穏な死を迎え、看取られています。
これからますますどのような安らかな最期を迎えることができるか、重要な問題になってきます。

 

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2011年7月 3日 (日)

認知症の家族殺害判決から介護者支援の必要性を考える

 このほど認知症の妻を介護する夫が、また介護する父親を息子が殺害した判決が出された。本当に痛ましい事件と言わざる終えない。
一例は夫(85歳)は献身的に介護し、短絡的だが心情は理解できるとし懲役3年執行猶予5年、2例は息子(48歳)が父を殺害した事件は、身勝手で短絡的、悪化から犯行まで1ヵ月半で介護疲れとはいえないとし懲役6年の判決、3例は夫(86歳)が突然記憶障害が表れた妻に困惑し殺害した事は、同情の余地はあるが動機は自分かってとして懲役2年6ヶ月。

 この判決に対し、介護者の心理的負担が軽視されている、介護者が最も混乱するのが介護初期と専門家も指摘する。
介護する人の精神的負担感や孤立感は大きく、この事件を検証し今後このような事件が起きないように介護者支援の体制をつくっていく事が求められる。

 2010年に戸塚で介護者支援について100人を超えるアンケート調査をしました。
その声として、「助けてほしい時に周りに誰もいない」、「毎日の出来事や感じたことを言葉にする場や時間がなく、孤立感を感じる」、「金銭的に不安がある」、「自分の自由に使える時間がほしい」と切実な声が聞こえてきました。

 今、一人娘、息子が仕事をやめ、親の年金を頼りとして親の介護をしている人も増えてきています。これから益々高齢化が進み介護は突然にやってきます。
 イギリスでは介護する人の生活の質を高め、介護を続けられるような支援を目的で、すでに15年前の1995年に介護者法が制定されています。
日本ではまだ介護の責任は、実際に世話をしている家族個人の負担にかかっています。

 これから介護を家族がかかえこみ、孤立していくことを防ぐためにも「介護者の会」など同じ境遇の人と出会える場や、相談、出てこれない人のために訪問など家庭や地域全体で介護の環境を支える仕組みを増やすことが不可欠と昨年の12月議会で質問、問題提起をしました。
 林市長はこれからしっかりと調査をし取り組むという答弁でしたが、果たしてこれからの横浜市の介護者支援の取り組みは。

 

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2011年1月12日 (水)

高齢者の見守りに必要な個人情報

 日ごろ高齢者福祉について、地域包括支援センターの方や民生委員から色々話を伺うと個人情報の問題があることがわかりました。
 地域包括では、これからはインフォーマルなサービス(出て来れない人へのサービス)が必要だが情報がないし、民生委員も区から出てくる情報はすでに把握していて、それ以外の真に支援が必要な人lの情報は届かず、どうして知るかといえば足で稼ぐしかないということで、活動が困難な状況にあることがわかりました。

 2005年に個人情報保護法が施行され、個人情報の取り扱いに対する意識は非常に高まりましたが、一方、自治体は情報を出さない、町内会や学校では名簿を作らないなど過剰反応ともいえる弊害も出ています。

 渋谷区では震災対策総合条例を改正し、災害時の要援護者対策として、「関係機関情報共有方式」を採用し、防災組織、民生委員などの外部に提供することを可能にしていますし、今中野区でも検討しています。

 無縁社会といわれ血縁、地縁が希薄になった今、高齢者を孤立させない、孤独死を防ぐために必要なのが、地域における見守りや支え合いが出来る環境です。
国の委嘱を受けた民生委員はじめ自治会町内会、市民事業などの食事サービスによる見守り活動の重要性が注目されています。

 真に必要な人に手を差し伸べ、地域の見守りを推進していくためにも、まず平常時から民生委員等への個人情報の提供も踏まえた、条例の制定など具体的な取り組みが必要であることを12月議会で市長に質問しました。Photo

 市長は、「法律で守秘義務が課せられている民生委員に対し、個人情報保護条例に基づき、行政が保有する一人暮らし高齢者の個人情報を提供し、日常の相談援助活動に活用できるように取り組む」と前向きな答弁をしました。
 今後提供される情報を元に、一層の支えあいの街づくりが進むことを期待したいです。

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2010年10月17日 (日)

市民発!介護なんでも文化祭

 上智大学を会場に行われた第6回介護なんでも文化祭に行ってきました。
この文化祭は、介護関係の活動をしている団体、地域協働型介護、在宅支援サービス、在宅医療、介護者支援などが一同に会して、活動紹介、ワークショップなどを行っていました。Pa170563_2

 この文化祭の事務局を担っているのが、介護者支援の活動をしているNPO法人アラジンです。その事務局長の中島由利子さんから、介護者支援の活動を伺い、その必要性を実感し、文化祭に出かけ「家族者の会」の活動をしている方たち、練馬区行政職員など話を伺いました。

 東京にはアラジンが支援して立ち上がった「介護者家族の会」はじめ、30以上の介護者支援の会があり、ネットワークができています。
横浜には残念ながら地域ケアプラザが行っている「介護者の集い」がほとんどで、市民発では、鶴見区のおりづる会と青葉区の男性介護者サポートネットワーク「かいご勝手連」の2箇所のようです。Pa170567_2

 横浜にも介護者家族の支援が広がることが期待されます。
行政やNPO、介護者、保健士、地域包括支援センターなどが連携して、東京のようにできないか考えたいと思います。

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2010年9月18日 (土)

「NO!寝たきりデー2010」フォーラム

 21回目をむかえる「NO!寝たきりデー」の今回のテーマは「介護保険の大転換?-生活を支える介護保険であるために」です。

 わが国の高齢化率は22.7%、40年後の2055年には高齢化率40.5%とどんな社会になっているのか想像もつきません。
 介護保険が始まって10年たちますが、「高齢者の孤立」や生活に不安を抱いている高齢者が7割強と年々増加しています。
介護保険改正では、要介護認定のたびに在宅生活を支える介護サービスの利用が制限され、使いにくくなったという声は多くあがっています。

 フォーラムでは、切実な現場事業者の報告、自治体の役割、厚生労働省から等それぞれの立場から提言があり、特に「生活援助」についての議論で盛り上がりました。
 「生活援助」が軽度者の要介護状態を悪化させるというデーターに反論し、訪問介護の「生活援助」は確実に介護の重度化を予防することが期待でき、在宅生活の質を高めるための必要なサービスであり、介護保険制度から外さないことを提案しています。
 それは、これからの介護保険改正で、厚労省の職員の発表でも費用、介護職員の確保などのデーターを示し、第5期介護保険事業計画での後退が透けて見えるのです。

 そしてパネリスト、会場からの憤懣が爆発したのが、国が考えている「生活・介護支援サポーター養成支援事業」の提案です。
 20時間の講義と実習でボランティアを養成し、老人クラブ、NPOボランティア、シルバー人材センターなどを使い、家事、話し相手、送迎などのサービスを行うというものです。

 これまでのヘルパーの仕事の専門性、守秘義務についてどう考えているのか、生活援助と生活・介護支援の定義はどうなっているのかなどなど、質問が続出しました。
これでは時間の逆行であり、出発点に立ち戻り、介護保険の崩壊を招くといった厳しい意見が出されました。P9180548_2

 今後の介護保険制度見直しの検討について注視し、各自治体の介護保険計画策定委員のメンバーのチェック、現場の声が反映できるような働きかけも必要と、このフォーラム主催の市民福祉サポートセンター代表の石毛瑛子議員よりも提案がされました。

 
 

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2010年8月17日 (火)

不明高齢者問題で明らかになった住民票の扱い

 100歳を超える高齢の不明者がなんと280人にもなっているらしい。
家族も20年も行方がわからないのにそのまま、自治体も所在がわからないのを認識しながら、理由はともかく放置している、信じられないことが今起こっている。
家族のつながり、絆が弱く、希薄になってきているのだろうか。

 この不明者問題で出てきたのが、「職権消除」と言う言葉だ。
私がこの言葉を知ったのは、定額給付金の支給時に住民票を消除された寿町に住んでいるホームレスの人たちに、何とか寿町の町内会館や寿支援センターに住民票をおくことができないかと横浜市と話し合いをした時だった。
 残念ながら叶わなかった。

 今回失踪し生存の可能性が薄い高齢者の住民票の扱いに関して、家族の意向があったり、役所内の連携が取れていなかったりと、そのままにしているケースが多いようだ。
 しかし、100歳以上の高齢者の住民票の消除と、50歳、60歳代で色々事情があって帰れない人や、各地を転々とし住民票のある所に長く住んでいなかったとして、自治体の職権で住民票を削除された重みは違う。

 今回の参議院選挙でも、ホームレスの人達で住民票がないために選挙に行きたくてもいけない人が多くいた。
住民票がないということは、選挙権がないのも勿論だが、健康保険証が持てない、ハローワークで仕事も探せない、免許証の更新ができないなど生きていく大きな足がかりがなくなることになる。
 自治体はこれを機に、住民基本台帳の訂正を始めている。
住民票を持たないホームレスの高齢者が増えるのだろうか。亡くなっていなければただ消してもその人の生活再建にはまったくつながらない。

 

 

 

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2010年7月 6日 (火)

介護する家族へ支援の手がますます必要な時代

 介護保険が始まり、介護サービスを利用しながら自宅で暮らす高齢者は多くなりましたが、サービスはあっても24時間一緒に暮らし介護する家族の中には、日々の介護に疲れ、精神的にも孤立しがちな人たちもいます。
 そして高齢者虐待や介護殺人という最悪の結果となることもあります。

 今年6月30日に施行された育児休業・介護休業に関する法律では、介護において短期介護休暇を特別休暇として取れるようになりましたが、家族介護や看護のために離転職している人が、平成14年から5年間で約50万人に上るといわれています。
 イギリスでは1995年に介護者を支援する法律が制定され、介護者が重要な役割を果たしていると認め、介護者に対する所得保障やカウンセリングが行われています。
比較すると日本はまだまだ遅れています。

 P7040428_2 今回私が監事をしているNPO法人まいそる(高齢者デイサービス事業)の研修として、介護者家族支援をしている「NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン」の事務局長の中島由利子氏から、介護者家族の現状と課題や活動の実践などを伺った。

 長寿化により介護期間が長くなり、世帯が小さくなって老ろう介護、シングルの娘、息子が介護している実態などがあり、長期で孤独な介護は心身への重い介護負担、ストレスになっています。

 そこでアラジンの活動は、訪問相談で傾聴とリラクゼーション、心のオアシス電話相談や「介護者の会」の立ち上げを支援し、そのコーディネートも担う。
また、介護者サポーターの養成事業などを行う中間組織として重要な役割を担っている。
 「介護者の会」は、同じ介護の悩みを持つもの同士が会って話をする場であり、東京では30団体もの会の登録団体があるが、横浜市では鶴見区に唯一ひとつだけのようだ。

 「介護の会」に入って声を上げる人はほんの一握り、歯を食いしばって孤独に介護をしている人に対するケアを、行政も含めNPOなどが支援する仕組みを早急に横浜にもつくらなければと実感しました。

 

 

 

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2010年3月20日 (土)

敬老パスのアンケート調査に8400通余りの回答が寄せられる

 敬老パス(敬老特別乗車制度)は、現在70歳以上の33万人の方がバス、地下鉄に乗車する時に利用されています。
 この制度は昭和49年に無料でスタートしましたが、平成15年に市の補助額が82億円になり市の財政負担の限界として、所得に応じてご負担をしていただく選択制に改めました。
ところが利用者が増え現在は86億円になり、市は平成23年10月の更新時期に向け、何とか市の負担を抑えるための見直の検討に入りました。P3140199

 ネットワーク横浜では、敬老パス制度についての市民意見を伺うアンケート調査を実施し、またネット議員が最寄り駅で敬老パスキャンペーンも行いました。P3140201

 Photo アンケート調査は、横浜全域に45万部をポスティングし、現在8400通の返信があり、この制度の関心の高さが伺えます。
回答者のうち、約70%が70歳以上でその内93%以上が敬老パスをお持ちの方です。

 ご意見の欄には、皆さんびっしりと書き込みがされています。P3140204
・「高齢者の足」として完全に定着したいい制度です。でも少ない年金でこれ以上値上げは困ります。・敬老パスを持ってから外出が増え健康になりました。
・高齢者となりマイカーを廃止しました。等など

 敬老パスは、マイカーをやめて公共交通にシフトする環境対策にも効果があるようですし、敬老パスを持っていても、バスや地下鉄が使えない交通困難地域もあるなど、横浜の交通政策を考えるきっかけにもなります。
何よりも、パスを使って外出、活動することで元気高齢者が増えることは医療、介護保険の利用者が少なくなることにもつながります。

 ネットワーク横浜は、市民の皆さんのご意見を参考に、敬老パス制度についての提案をまとめていきます。

 

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2009年5月24日 (日)

介護保険!ここが問題

 かながわ福祉NPO事業センター主催で、ノンフィクション作家の沖藤典子さんに、様々な角度から介護保険についてのお話を伺った。
沖藤さんは、樋口恵子さんが共同代表をされている「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」の運営委員もされている。P5190711

 2000年にスターとした介護保険制度は、家族を介護地獄から開放するため「介護の社会化」として大きな一歩を踏み出した。
40歳以上から介護保険料を徴収して、公費45%、保険料45%、自己負担10%で65歳以上から利用できる制度です。
 5年ごとに制度の改正が行われているが、財源の厳しさを反映してか、介護サービスの適正化と称し利用制限や家族同居者や軽度要介護者の切り捨てがはじまっている。

 清水由紀子さんの自殺で孤立した介護が取り上げられました。たとえ同居家族がいても在宅介護者を追い詰めない支援のサービスが必要です。
 訪問介護では身体介護は30分未満、生活援助は1時間30分までとなり、細切れで使いにくく、無目的な散歩は認めないなど、わけのわからない制限が多くあり、まさに現場を見ないでつくられた机上の空論としか言いようがありません。

 介護人材の確保が大きな問題となっています。夢と希望を持って介護福祉の職についた人たちが、労働がきつい、給与が低いなどで長続きせずに離職してしまいます。
 2009年の3%プラス改定でも、直接介護人材の待遇改善には繋がっていません。

 沖藤さんは、これからの介護保険について介護保険から人の心が失われつつあることを危惧され、人間の安全保障として、介護は「尊厳性」を守るものであると結ばれた。 

 

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2008年8月16日 (土)

福祉現場の人材確保はこれからの重要課題

 今特養や老健施設など介護の現場での人材不足が深刻になっている。
入居希望者はいるのに人手がなく、受け入れることができない施設も出てきている。
その要因のひとつは、福祉の志を高く介護の仕事についた若者が、夜勤などの厳しい職場環境、他の仕事に比べ低い給料、体調を崩しやめていく人など厳しい労働環境にある。
 友人の娘さんも頑張っているが続けるのが大変だと言っていた。
介護報酬の引き下げもされた。これから福祉の人材確保のため、やりがいを感じ、世間並みに生活できる環境整備が必要だが、その財源はというと保険料値上げか、税金負担かを考えなければならない状況かもしれない。
 このままだと介護者と利用者双方にしわ寄せがくるのは間違いない。

 その福祉人材確保に、日本とインドネシアとの経済連携協定によって介護福祉士と看護士の候補者受け入れが始まった。
 まず6ヶ月間は日本語や生活習慣を学び、来年から各施設で働くことになっている。

 介護職は4年以内に、看護職は3年以内に国家試験を受け合格すれば働き続けられるが、不合格の場合は帰国することになる。
日本人でも合格率5割程度なのに、日本語もままならない人達が果たして合格できるだろうか。

 横浜市では、福祉人材緊急確保として施設職員の処遇改善のための経費助成(H22年までの時限)も今年度行っている。
 海外からの受け入れ10箇所程度の施設に、受け入れの研修費や人件費助成として
2500万円計上している。
 海外からの福祉人材確保が定着できるか、それとも短期労働に終わるのかこれからにかかっている。
いずれにせよ、高齢社会を迎える日本の福祉の人材確保のための国政策は急務である。

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